みなさんは、登山のお供にどんな食べ物を選んでいますか?
山登りは、とてもエネルギーを消費する運動で、筋肉の負担も大きいもの。
ベストな体調で楽しむためには、栄養補給が欠かせません。
山の天気は変わりやすく、いざというときの備えも必要です。
森永製菓とYAMAPから、山での栄養管理の「いろは」を伝授します!
森永製菓 清野さん
森永製菓トレーニングラボ・チーフスポーツ栄養士としてトップアスリートを含む幅広い種目のサポートを歴任。筑波大学大学院・特任助教。
エネルギー源のベースは「糖質」で、糖質と食物繊維を合わせたものが「炭水化物」です。糖質の中でも運動中に有効なのは「ブドウ糖」。ブドウ糖は糖質の中でも血糖値をすばやく上昇させ、エネルギーとして使われやすいのです。また糖質は一気に多く摂ることで、逆に血糖値が下がることもあるため、こまめな摂取が大切です。
「脂質」もエネルギー源ですが、脂質は「糖質」と一緒に燃焼します。長時間運動していると脂質の燃焼割合が大きくなりますが、糖質が不足すれば脂質も含めた代謝の効率が悪くなってしまいます。またビタミンB群は糖質・脂質などのエネルギー代謝に必要不可欠で、脂質の代謝にはL−カルニチンも働くことがわかっています。
糖質と脂質は主なエネルギー源として代謝されますが、これらが不足してしまえばタンパク質も分解されることになります。糖質や脂質はもちろんですが、タンパク質もこまめに補給し、不足しないように備えておくことが重要です。タンパク質は最終的に体内で分解され、アミノ酸として吸収されます。よって、アミノ酸をそのまま補給することにより、吸収も早くなるため、登山前・登山中・登山後など動いているタイミングでの補給には適していると言えるでしょう。
登山は非常にエネルギーの消費量が多く、筋肉にも負担がかかる運動です。登山前の十分な栄養補給が、良い体調を維持して山を登りきることの第一歩です。
エネルギー代謝に必要な「糖質」と「タンパク質」を補給しておくことが大切です。運動前なので、糖質の種類にあまりこだわらず、ごはんやパンなどある程度腹持ちの良いものをオススメします。またタンパク質は、事前におおよそ20−25gを目処に摂っておき、登山中も継続的に補給できるように準備を行いましょう。代謝を促すビタミンB群やL-カルニチンも補給のポイントですね。
暑さ対策としては、事前に水分をこまめに補給しておくことが重要です。また肌のおひさま対策として、緑黄色野菜や果物からビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミンを摂ることも大切です。
糖質は、動き続けることで消費し続けており、また普段使わない大きな筋肉を酷使することでタンパク質の分解も多くなります。こまめに糖質(主にブドウ糖)やアミノ酸を含むものを補給し、エネルギーレベルの維持と筋タンパク質の分解抑制に努めましょう。
登山に夢中になっていると、栄養補給のタイミングを忘れてしまい、気づいたときには疲労が溜まっているということも。30~45分を目途に必ず意図的に栄養補給するタイミングを作り、体をリカバリーさせながら進むようにしましょう。
糖質やアミノ酸を摂取しても、体内の水分量が不足していると栄養素がうまく循環しません。ナトリウムやカリウムなどの電解質を含む水分を補給し、筋けいれんなどの熱中症予防も意識しましょう。
余裕を持って山頂に到達したとしても、山の環境は変わりやすく、何が起きるか分かりません。下山を急ぐのではなく、トラブルに備えて万全の補給をしておきましょう。
最優先となるのは、体内の水分状態を回復させるための水分補給。そしてキーとなる栄養素はここでも「糖質・タンパク質(アミノ酸)・ビタミンB群」そして「塩分」です。糖質とビタミンB源となるごはん・パン類、良質なタンパク質源となる肉類を中心にしっかり食事を摂りましょう。また、登山後は発汗量も多く、体内の塩分も不足していることが予想されます。時間をかけてゆっくり食べることもできるので、例えば、エネルギーを蓄えておくということで、脂質エネルギーと塩分補給が両方できるスナックなどもおススメできる食品でしょう。
何か温かいものを作ってホッと一息つけるのは、腰を下ろしてしっかり休める山頂ならでは。登頂でピークアウトしがちな気持ちを、下山に向けてしっかりリフレッシュしておくことが大切です。
下山後すぐに食事が摂れるなら、登山中の糖質に偏ったバランスを整えるためにも、肉や魚、野菜やきのこ、乳製品など多くの食材を取り入れましょう。もし食事を摂るまで2−3時間空いてしまう場合は、疲労が翌日まで溜まる恐れがあるため、早めに「糖質・タンパク質(アミノ酸)・ビタミンB群」を摂ってリカバリーに努めてください。
日も傾き、特に荒天のなか下山した場合は、体温も低下しています。疲労や体調不良を翌日に残さないためにも、温かい食べ物で体温をリカバリーさせましょう。
下山後に食事を摂るまでの時間が空いてしまうと、疲労の回復が遅れます。下山がゴールではなく、下山後の食事までを登山計画に入れておきたいですね。
森永製菓とYAMAPは、山おやつ・山ごはんイベントを全国各地で実施しています。
これまでのイベントの様子を、ムービーでご紹介します!
富士山が最も映える景観を誇る、天下の秀峰・金時山。ふもとの箱根キャンプサイトに、YAMAPといろんな食のメーカーが大集合!自慢の山ごはんメニューをお披露目しました。人気コミック「山と食欲と私」のキャラ達も顔を出し、みんなでワイワイ、とっても楽しいお祭りでした♪